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2011年9月 7日 (水)

役者の櫻井翔

続きです―。

私が思う、櫻井翔のスゴいところのひとつに、操る言葉がすっごく正確だっていうのがあるんですけど、このインタビューはまさにそんな翔さんの能力を遺憾なく発揮したものじゃないかと思います。

映画を観ていなくても、映画の内容はもちろん、翔さんが伝えたいポイント、映画としてこだわった仔細まで、このインタビュー読んじゃえば、すごく良く分かるんですよねぇ。。

私もモノ書きの端くれとして(ホントに端くれね、端くれ)櫻井さんのコトノハの操り方を見習いたいと常々思っております。。。 ・・・でも、難しいのよね、これが

さて、それでは、櫻井翔が語る役者としての櫻井翔をどーぞ

***

たとえば『木更津キャッツアイ』のバンビ。 あるいは『ハチミツとクローバー』の竹本。 もしくは『ヤッターマン』のヤッターマン1号。 人それぞれ違うと思うが、「櫻井といえばこの役」と、キャラクターそのものの印象が強く記憶に残る作品にいくつも出会っている櫻井翔。 これまでの作品では、不器用だけど愛嬌たっぷりの青年役などで青春を背負わされることが多かったが、8月27日に公開される『神様のカルテ』ではまったく新しい芝居を見ることができる。

現役医師である夏川草介の小説を深川栄洋監督が映画化した『神様のカルテ』で、櫻井は地方医療に従事する医師、栗原一止を演じている。 24時間365日で患者さんに対応し、正と死に直面しながら、生き方を模索していく人物なのだが、ちょっと特異なキャラクターでもある。 なにしろ、夏目漱石を愛読するばかりに口調は古くさく、外見には無頓着で、病院では変人扱いされているのだ。 さらに、手の施しようのない患者、安曇さん(加賀まりこ)と向き合い自分のすべきことを悩み続けるというストーリーもあいまって、撮影中は「相当追い込まれた」という。 

今年初めの○○(雑誌名)のインタビューでは、「これまでは、役が普段の生活にまで引きずられるっていうことはあまりなかったんだけど、今回はなるべく引きずろう引きずろうとアプローチしたんです。 一止の身体の動かし方とか目線の動かし方とかを忘れちゃうのが嫌だったから、現場から離れるときも、自分と深川監督で作った栗原一止の動きみたいなものを練習し続けたっていう感覚というか。 香り出る部分で一止を感じてもらいたいなあと思ってたから、ポンってスイッチを押して一止になるっていうよりは、立ってたり、座ってるだけで一止がそこにいる、みたいな状態にしたかった」と語っている。

劇中の一止は、ぶっきらぼうなポーカーフェイスで、表情もめったに動かない。 しかし、佇まいや纏う空気間だけで胸の奥にある気持ちが伝わってくる。 「監督のおかげ」と櫻井は言うが、これってすごいことだ。 役者として、確実に新たなステージに立ったと言えるだろう。

【問】 『神様のカルテ』を観た感想を教えてください。

: 原作を読んだときしかり、脚本を読んだときしかり、俺のイメージでは、ちょっと霧がかってるんだけど、あったかくて穏やかでゆるやかな時間の流れる素敵な作品だなあと思っていて。 映画を観ても、ものすごい大どんでん返しがあるわけでもないし、派手なクライマックスがあるわけではないけど、心に残る作品だなあと思った。 あとは、エンドロールで自分の名前がクレジットされてるのがすごく嬉しかったです。

【問】 今年初めの○○(雑誌名)のインタビューで、『神様のカルテ』について、「周りの人がターニングポイントになる作品になるよ、と言ってくれて嬉しい。 自分ではどうなるかわからないけど、ひとつの“節目”にはなると思う」とおっしゃっていました。 映画が完成してみて、『神様のカルテ』ではどんな武器を備えることができたと思いますか?

: 残った結果ということに関しては、ちょっとわかんない。 だけど――まあよく言ってるんだけど、胸にパンパンの水風船抱えてる感じっていうか、足首に重りつけながら走ってる感覚っていうか、部活で言うとタイヤを腰に巻いてグラウンド走ってる感じっていうのは(笑)、ずーっとあったから。 苦しみながらも走り抜いてみたっていう、その過程への達成感っていうのは今残ってるけど、武器が何かはちょっとわかんないんだよなあ。

- 舞台『ウエストサイドストーリー』(04年)のときは、「感情の記憶を引っぱり出して涙が流せるようになった」とおっしゃっていましたけど、そういう新しい引き出しが増えたっていうことはなかったですか?

: ああ、そういったことで言うと・・・ほんとに初めてのことばっかりでしたよ。 安曇さんが亡くなるところしかり、御嶽荘の別れのシーンしかり、そのまま素直に気持ちに従うとさ、どっちもやっぱり泣いちゃいそうになるんだよね。 だけどその気持ちを上からグングングングン押しつけて、出さないように出さないようにっていうのは、やったことなかったから。 そういった意味では、勉強になったことや吸収したことがたくさんあるんだと思う。 だから、いつか別の作品をやったときに、具体的に感じられることなのかもしれないですよね。

【問】 今回は、日常生活にまで役を引きずろうと意識したそうですが、完成した映画を観て、櫻井さんの目に一止はどう映りましたか?

: えーっ。 客観的には見れなかったんだよねえ、正直。 なんでかっていうと、2時間ぐらい観ている中で、「あっ、こんなこと俺やってたんだ」とか、「こんなふうに映ってたんだ?」みたいなことがなかったから。 監督のもとでワンカット・ワンカット、細かく細かく作っていたから、全部覚えてるんだよね。

- じゃあ、映画を観てハッとしたシーンというのはありましたか?

: うーん、不意打ちっていう意味でのハッとするシーンはなかったけど、「ああ、いいシーンだなあ」っていうのは何個もあった。 台本読んだときから好きだったんだけど、「ただいま、ハル」「お帰りなさい、イチさん」のやりとりがすごい好きだったんだよなあ。 何でもない日常なんだけど、映画で観てもすごい好きだった。

- その胸キュンポイントはどういうところだったんですかね。

: なんかね、現場で監督と、「こういうセリフって、その人の裸の部分というか素の部分というかが、思いっ切り出ちゃうよね」みたいな話になったんだよね。 だからなのかなあ。 スクリーンでそのシーンを観たときに「普段この人はこういうふうに言ってんのかなあ」って思えたっていうか。

- そこは客観的に見れたところだったんですね。

: なんなんですかね、よくわかんないんだよ(笑)、客観的とか主観的とか。 いろんなことがグッチャグチャになってるから、自分の感じ方が難しいんだよね。 スクリーンの世界に酔える瞬間もあれば、途端に自分の記憶のなかにあるものが出てくるときもあるしさ。 まだちょっと整理できてないんです。

【問】 『神様のカルテ』の経験を経て、改めて「演じること」とはどんなことだと思いましたか?

: ・・・わっかんない!(笑) 今回に関しては、一止っていう人物を――もちろん自分ひとりではないけど――作り上げていくっていうことに手いっぱいだったっていうか。 だから、やり切ったとは思ってるんだけど、演じ切ったのかどうかっていうのはわかんないんだよね。 今回に関して言うと監督のお陰だけど、自分と向き合う時間だったし、一方で自分を押し殺す時間だったっていう・・・イビツな経験だったんだよねえ。 だから、俺まだ演じるっていうことを定義できてないかも。 いつできるのか見当もついてないけど(笑)

- でも、演じることは続けていきたいですか?

: それはもちろん。 声をかけてくださるのであればね。

【問】 今までたくさんのキャラクターを演じられてきましたが、そのキャラクターは自分にとってどんな存在ですか?

: なんだろうな・・・なんか、各学年で出会った親友っていう感じ(笑)

- 笑。 誰よりもそいつのことわかってるぜ、みたいな?

: うん、そう。 出会った歳は違うけど、その歳に会った一番の親友っていう感じなのかなあ。

- じゃあ一止は一番新しい親友ということになりますが。

: だから今、超仲いい(笑)。 ははははっ。

- 自分の中に一止はどんな存在として残っていますか?

: こうやってたくさん取材していただく中でいろいろ再発見があったんだけど、「こういう優しさを持っていたいなあ」って思う部分が一止にはたくさんあったんだよね。 謝ってきた水無さん(新人看護婦)に、「そんな言葉は重要じゃないよ」って言ってあげられる――まあ、ぶっきらぼうだけど――優しさとかさ、それこそ安曇さんとの向き合い方なんかも最たるものだけど・・・道に迷うし、いろんな人の意見も聞くけど、最終的にはひとりで歩き出すっていうか。 案外いい男なんですよ(笑)。 だから、こうありたいなって思う場面がいくつもありました。

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コメント

「神様のカルテ」、私も観に行きました。
途中泣けるシーンがいくつもあって、地域医療で頑張っている現場のお医者さんのことなど考えさせられたし、映画の風景も優しくてステキで、とてもいい映画だと思いました。
イチさんのあの髪型、ネットでも賛否両論でしたが、
私はあれでよかったと思います。

この秋は、「謎解きは~」もあるし、また新しい翔ちゃんを見れるから楽しみですよね。

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